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旅する気分で学ぶ中国語コラム【第六弾】 ―中国旅行クリエイター・一騎さんとのコラボ連載―
第六弾:【蘇州】絶景と美食に包まれる“東洋のベネチア”
皆さん、こんにちは!
今回のコラムを担当する、ハオ中国語アカデミー名古屋校の倪です。
今回の舞台は、前回に引き続き、美しい「水の都」「庭園都市」として名高い古都・蘇州です。
古くから「上有天堂,下有苏杭Shàng yǒu tiāntáng, xià yǒu Sūháng / 上には天国あり、下には蘇州・杭州あり」と謳われるほど風光明媚で、見どころが尽きない街です。
上海から高速鉄道でわずか30分という抜群のアクセスでありながら、一歩足を踏み入れれば、そこには極上の中国情緒が広がっています。
今回の動画では、一騎さんが昼と夜で表情を変える蘇州へ。世界遺産の庭園(拙政園)や、幻想的な光に包まれる特別なナイトツアー、息を飲むほど美しい街の夜景、そして絶品のご当地グルメを楽しめます。
リアルな街歩きを通して、実践的な中国語や、現地ならではの豊かな文化を楽しく学んでいきましょう!
【動画を見る前にチャレンジ!中国語&文化クイズ】
動画を見る前に、3つのクイズに挑戦してみましょう!
答えは動画の中に出てきます。
Q1. 「どこで荷物を預けられますか」は、中国語で何と言いますか?
Q2. 蘇州にある世界遺産に登録された庭園は、全部で何か所ありますか?
Q3. 中国語の「香草 xiāngcǎo」は、どういう意味ですか?
🎥 今回のレッスン動画
【蘇州】絶景と美食に包まれる“東洋のベネチア”。歩いたら想像以上に美しかった!|週末中国・上海蘇州編②
【場面1】 1:54 なぜ“行李寄存”?
一騎さんの動画(1:54)で目に飛び込んでくる、大きな「行李寄存」の看板。
中国語を学んでいる人なら「あれ?『荷物を預ける』なら、動詞が先の “寄存行李” じゃないの?」と疑問に思うはず。
実はここには、中国語の基本ルールと「看板特有の表現習慣」が隠されています!
中国語の基本的な語順は、「誰が(主語) + どうする(動詞) + 何を(目的語)」です。
そのため、口頭で「荷物を預ける」と言うときは、動詞の“寄存”を先に置いて “寄存行李” となります。
【例文】
可以寄存行李吗?
Kěyǐ jìcún xínglǐ ma?>
(荷物を預けることはできますか?)
では、なぜ動画の看板は「行李寄存」と逆なのか?
日本語でも、お店の看板に「車を修理する」とは書かずに「自動車修理」と書きますよね。それと全く同じ感覚です。
もし看板に基本どおりの「寄存行李」と書いてしまうと、利用客に「荷物を預けなさい!」と行動を促すような、少し落ち着かないニュアンスに感じられることもあります。
そのため、公共の場所では「一目で何の場所か伝わること」を最優先し、スッキリとした “行李寄存” という表記が好んで使われているのです。
空港や街中で、ぜひ面白い中国語の看板を探してみよう!
手荷物カウンターの看板: 〇 行李托运 xínglǐ tuōyùn 手荷物託送(× 托运行李)
自動車修理工場の看板: 〇 汽车维修 qìchē wéixiū 自動車修理(× 维修汽车)
【場面2】4:39 上有天堂,下有苏杭
一騎さんの動画(4:39)に登場する、中国で古くから親しまれる定番の慣用句です。
中国語を学ぶ方なら一度は耳にする有名な表現ですが、ここには中国語特有の言葉のリズムや構造の面白さが詰まっています。
上有天堂,下有苏杭
Shàng yǒu tiān táng, xià yǒu Sūháng
(天に天国あり、地に蘇州・杭州あり)
この言葉は、風光明媚で歴史と文化が豊かな蘇州・杭州の美しさを、人々が憧れる極楽浄土に例えて称えたもので、中国随一の名所であることを表しています。
古来、中国の政治の中心は北方に多く置かれてきた一方、蘇州や杭州が位置する江南地域は、水に恵まれた豊かな土地で、経済的繁栄を背景に独自の洗練された文化を育んできました。
👉中国語の面白さ:日常に溶け込む「対句」と「慣用句」
語数や構造が揃ってリズムよく響く「対句」であり、地名をスマートに縮める中国語特有の面白さがあります。
また、古くから人々の間で親しまれてきた「慣用句(俗語)」でもあるため、直感的で分かりやすいのも魅力です。
中国には、このように特定の地名を入れてその魅力を豊かに表現した定番フレーズが他にもたくさんあります。
中国語の表現力をさらに広げてみましょう。
1. 桂林山水甲天下
Guìlín shānshuǐ jiǎ tiānxià
形容桂林山水景色天下第一。
(桂林の山水の景色が天下第一、つまり世界で一番美しいと形容する表現です。)
2. 不到长城非好汉
Bú dào Chángchéng fēi hǎohàn
万里の長城に登らなければ一人前の男ではない。
(万里の長城の存在感が独特であり、中国を代表する名勝であることを示しています。)
3. 九寨归来不看水
Jiǔzhài guīlái bú kàn shuǐ
九寨溝から戻ったら、もう他の水景色を見る必要はない。
(九寨溝の水景色が、世の中で圧倒的に際立って美しいことを称える言葉です。)
こうした地名を使ったお決まりのフレーズに気づけるようになると、中国の文化への理解が深まり、旅行も勉強もどちらも更に楽しいものになるはずです。
【場面3】5:00 旅先で出会う中国の流行のアイス
動画の5:00ごろ、一騎さんがおいしそうな中国のアイスクリームを食べていましたね!
今回は、店頭で見かけた中国語のフレーズ(フレーバーの名前)に注目してみましょう。
漢字の意味が分かると、旅先でも自分の好きな味のアイスが選べて楽しいですよ。
双色草莓
shuāng sè cǎo méi
「双色」は2つの色、つまりミックスやツートンカラーを意味します。「草莓」は苺のことです。
双色巧克力
shuāng sè qiǎo kè lì
「巧克力」はチョコレートの音をそのまま漢字に当てはめた言葉です。
中国語では、外国語の音をそのまま漢字に当てはめて翻訳することも多くあります(咖啡 kāfēi コーヒー、沙发shāfā ソファなど)。
牛奶海盐
niú nǎi hǎi yán
「牛奶」は牛乳、「海盐」は海の塩(シーソルト)です。
香草口味
xiāng cǎo kǒu wèi
「香草」はバニラ、「口味」は〜味(フレーバー)という意味です。
「○○口味」という組み合わせは、アイスに限らず、様々な食べ物の味を示す際に使われる表現です(麻辣 málà口味(しびれ&辛さ味)、抹茶 mǒchá口味(抹茶味)など)。
📝【知って得する!中国トレンド豆知識】
動画の中で一騎さんが食べたアイスは、実は今、中国各地で大流行している「文创雪糕 wén chuàng xuě gāo」です。
「文创 wén chuàng」とは、「文化」と「创意 chuàng yì / アイディア・創造性」を組み合わせた言葉です。
昔からある伝統文化や名所旧跡、歴史などを活かしてデザインした商品のことを指します。
中国でおしゃれな雑貨を買いたい場合、「文创店 wén chuàng diàn」(日本の雑貨屋のようなお店)や書店の「文创商品 wén chuàng shāngpǐn」を探すと見つかることが多いです。
また、最近では博物館などでも様々なおしゃれな「文创商品」が販売されていて、例えば、故宮博物館(北京の紫禁城)の「文创商品」も人気です。
詳しくはこちらへ:文创商品 - 故宫博物院
(一騎さんは、北京から来た友達から、使い切ると紫禁城のフォルムが浮かび上がるメモ帳(故宮博物館の文创商品)なんかもお土産でもらったことがあるそうですよ)。
その「文创」がアイスと融合したものが「文创雪糕」です。
有名な史跡、博物館の収蔵品、あるいは美しい建築物の形を精巧に再現した現地限定のご当地デザインアイスで、万里の長城、故宮、兵馬俑など、さまざまな名所で販売されています。
「歴史的な建物をバックに、その形をしたアイスを持って写真を撮る」のがいまや旅の定番スタイルとなりました。旅先で見つけたら、ぜひSNS映えする1枚を狙ってみてくださいね!
【場面4】9:37 現地スタッフのリアルな中国語に挑戦!
この場面は中国語の字幕がなく、周囲の音も重なって少し聞き取りづらいと感じたかもしれません。
しかし、これこそが現地の庭園スタッフが観光客に向けて話す、リアルで丁寧な生の中国語です。
中上級を目指す方は、ぜひ耳を澄ませて何度も聞き直してみてくださいね!
“然后中间这个呢,是仙鹤。”
Ránhòu zhōngjiān zhè ge ne, shì xiānhè.
それから、この真ん中にあるのは鶴です。
“寓意着寿,长寿的一个寿字。”
Yùyì zhe shòu, chángshòu de yígè shòu zì.
「寿」を意味していて、長寿の「寿」という文字のことですね。
👉寓意 (yùyì): 「〜に(おめでたい意味を)託す、〜を象徴する」という意味の動詞です。
蘇州の庭園にある窓の形、瓦の模様、彫刻などには、すべて職人の素晴らしい「寓意」が込められており、現地ガイドさんの解説で非常によく使われる単語です。
🐼一騎さんから一言:
蘇州と言えば庭園がとにかく有名で、特に上海旅行に行った方の中には、大都会とはまた少し違った中国の伝統的な一面を見たいと思って日帰り旅行を計画する方も多いです。上海中心部から高速鉄道に乗り込んで30分1000円程度で行けてしまうので(自分のときは蘇州駅→上海虹橋駅が33分700円でした!)、本当に気軽に行けてしまいます。高速鉄道に乗るのは勇気がいる!と感じる方もいると思いますが、今の中国の高速鉄道は日本語の旅行サイト(例えばTrip.comなど)で購入し、購入時に登録したパスポートを駅で見せるだけでチケットレスで乗れてしまうので、かなり簡単になっています(会話が要らないのでせっかく勉強した中国語を使わないでもいいくらいです笑)。
ということで、日帰りでさくっと蘇州を訪れて、有名な庭園を訪れたり、美しい水路の路地を散策するのもアリ。でも、実際に行くと驚くのは、蘇州は実は日帰りだけではもったいなすぎるほど非常に多くの素晴らしい見どころがあふれていて、じっくり楽しもうと思うと日帰りでは全然時間が足りません。動画の中でもそうだったように、自分は日帰りでは全然行きたいところが周りきれずに後悔しました(また行こうとすぐに決意しました笑)。
美しい庭園(しかも大量)、趣のある水郷、洗練された都市部、おいしい蘇州料理、、、蘇州の魅力を挙げたら尽きません※。興味関心と予定に応じて、日帰りで旅行するのももちろんアリですが、いずれにしても、ぜひ「地上の楽園・蘇州」を現地で楽しんでみてください!
※蘇州旅行に行く際に、蘇州のおすすめを中国のフォロワーの皆さんに聞いたところ、「こんなところもあるのか!」、「ここも行きたい!」、「おいしそうすぎる!」という嬉しい悲鳴が出るほど多くのおすすめを聞いたので(ガイドブックには載っていない)、蘇州に行く方はぜひこちらも参考にしてみてください。
🔗【現地発】蘇州のおすすめ観光名所とグルメを数百人の中国人に聞いてみた
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🖋 今回のコラム執筆:倪(ゲイ)先生 
プロフィール:
中国・蘇州出身。大連外国語大学日本語学科を卒業後、東京外国語大学大学院修士課程を修了。普通話水平テスト(PSC)二級甲等、日本語能力試験1級に加え、TOEIC850点と優れた英語力も保持し、豊かな語学力に基づいたわかりやすいレッスンを提供している。ハオ中国語アカデミー新宿校にて常勤講師、教務主任教師を歴任し、長年、受講生一人ひとりに寄り添った学習サポートと教室運営に深く携わってきた。現在は名古屋校のマネージャーとして教室を牽引する傍ら、幅広い層の日本人学習者の指導にあたっている。プライベートでは世界各地の旅行や文化体験を愛し、その親しみやすい人柄と豊富な経験を活かして、受講生の中国語学習を強力にバックアップしている。
倪先生からのメッセージ:
皆さん、今回の蘇州コラムはいかがでしたか?
私の故郷である蘇州を舞台に、今回の動画では伝統芸能の「评弹 (píngtán / 評弾)」がありましたね。実は私も先日、実際にこの評弾を聞きに行ってきたばかりなんです。動画の中で演奏されたのは有名な『春江花月夜』でしたが、ほかにも有名な演目がたくさんありますよ。私が小さい頃には、このように気軽に庭園で楽しむスタイルはまだなかったのですが、今では美しい蘇州の庭園の中で、本場の方言による評弾の響きに浸ることができます。これほど素晴らしい「沉浸式文化体验 (chénjìn shì wénhuà tǐyàn / 没入型の文化体験)」ができるようになったことに、私自身とても感動しました。
このように蘇州の魅力を素敵に紹介する動画を制作してくださった一騎さんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
中国語を勉強している皆さんも、ぜひいつか私の故郷である蘇州を訪れて、伝統文化が息づく街の空気や、現地でしか味わえない感動を実際に体験してみてください。皆さんの中国語学習が、新しい世界の扉を開くきっかけになるよう、これからも応援しています。
再见!
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